坂本龍馬は英雄なのか、ヒトラーがいなければ戦争は起こらなかったか、浮世絵がなぜハゲ山だらけなのか……歴史の裏の裏まで見えてくる

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

こういった知識があれば、単に善悪だけの話ではなく、歴史上のあらゆる出来事はバランスと力学によって動いているのだということがよくわかるでしょう。

世界観の変更に迫られている現代

『全人類の教養大全』は、韓国でシリーズ300万部のベストセラーになっています。今の韓国の世論調査では、過半数が「核抑止力を持つべきだ」という考えです。

かつて、隣国・北朝鮮の後ろ盾は中国だけでしたが、ウクライナ侵攻以降の状況で、ロシアとつながっていることがわかり、危機感を強めたからです。

ヨーロッパも、ウクライナを見て、次はバルト三国やポーランドがやられるのではないかと危機感を強めています。

トランプ大統領を見ていると、アメリカはもう頼りになりませんから、ヨーロッパ自体で核抑止力を持つべきだという議論や、徴兵制復活という話も出ています。

つまり、ウクライナ侵攻とトランプ第2次政権の誕生以降、これまでの世界観の変更を迫られる状況になってきているわけです。その中で本書のような一冊が生まれることは、つながりを感じます。

日本はのんびりしていますが、台湾侵攻が現実に起きたらどうするのかという問題があります。

政府は、沖縄から九州への避難のシミュレーションなどを進めていますが、いまだに勧善懲悪でうまくいくと思い込んでいる「昭和脳」のままの人がいっぱいです。我々も世界観をきちんと変更して、「令和脳」に変えていく必要があるでしょう。

(構成:泉美木蘭)

佐々木 俊尚 作家・ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ささき・としなお / Toshinao Sasaki

1961年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。毎日新聞記者、『月刊アスキー』編集部を経て、2003年よりフリージャーナリストとして活躍。ITから政治、経済、社会まで、幅広い分野で発言を続ける。最近は、東京、軽井沢、福井の3拠点で、ミニマリストとしての暮らしを実践。『レイヤー化する世界』(NHK出版新書)、『そして、暮らしは共同体になる。』(アノニマ・スタジオ)、『時間とテクノロジー』(光文社)など著書多数。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事