坂本龍馬は英雄なのか、ヒトラーがいなければ戦争は起こらなかったか、浮世絵がなぜハゲ山だらけなのか……歴史の裏の裏まで見えてくる

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今の日本の歴史学の成果を見れば、どこで戦争を止められたのかということも詳細に分析されています。

そういったリアルな力学を、しっかり教えるほうがよいのではないかと僕は思います。

今起きている戦争も教養なしには語れない

現在も、ウクライナ戦争、イスラエルとイランの戦争のような格好の材料があります。特に、イスラエルとイランについては、どちらが善でどちらが悪かわかりません。

80年代のイラン・イラク戦争で消耗したイランには、全面戦争に対する強い拒否感があります。しかし、核を持つイスラエルは警戒しなければならず、武装勢力のヒズボラ、イエメンのフーシ派、ハマスなどにイスラエルを攻撃させるということをやりました。

ところが、イスラエルはそれに勝った。そして、イランが核を持つことを抑止するために、ついに空爆で核基地を攻撃するということをやったわけです。

イスラエル・パレスチナ問題も、人々は、イスラエルが悪、パレスチナが善というわかりやすさに落とし込みたがります。確かに、パレスチナのガザ地区の人々はかわいそうだと思うのですが、ではなぜイスラエルがああなっているのかは、建国のころに遡らなければ理解できません。

そもそも、イスラエルがパレスチナの人々を追い出して建国したことも、普通に考えれば「何事だ」という話ですが、その原因は、ナチスがユダヤ人を迫害してホロコーストを引き起こしたことでした。

それだけならドイツが悪いという話で終わりますが、実はユダヤ人は、ホロコーストが起きる前からヨーロッパやアメリカで迫害されていたのです。

だから、ホロコーストを受けたユダヤ人を見ても、手を差し伸べなかった。そこに対する贖罪意識が強いので、戦後、イスラエルを建国するというときに誰も反対しなかったのです。

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