坂本龍馬は英雄なのか、ヒトラーがいなければ戦争は起こらなかったか、浮世絵がなぜハゲ山だらけなのか……歴史の裏の裏まで見えてくる

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当時は石油もガスもなく、里山の木々を伐採して燃料にしていましたから、『東海道五十三次』などの風景画も、松の木がポツポツ生えているだけで、ハゲ山ばかりです。

そうした持続不可能な国内事情に追い込まれたことによって、江戸幕府は倒されて、新体制へと移っていったのです。

もちろん、英雄がいなければ動かないこともありますよ。

英雄と、時代背景や民衆の心によって社会が動く力学、その両方の視点を持つことが重要だということです。

「歴史の力学」を教えない日本の戦後教育

日本の学校教育は、うんちくや雑学を頭に入れる知識詰め込み型です。歴史の教科書も、何年に何があったという事は書かれていても、どういった経緯で起きたのかがよくわからないんですよね。

平安時代の次は鎌倉時代、その次は室町、戦国という知識はあっても、なぜ貴族政治が武家政治に変わったのか、なぜ室町時代で国の統一が解かれて戦国時代になったのかということは、あまり描かれていません。

戦後の教育は、そういった歴史の力学については一切語らずに、ひたすら戦前を善悪の価値観だけで語ってきました。結果的に、どうすれば戦争を引き起こさずにすむのかという平和教育につながっていないと思います。

8月になると平和教育が行われますが、やっているのは「語り継ぐ戦争」です。しかし、80年経って戦争を体験した人は少なくなっています。苦肉の策で「語り部2世」や、AIに語らせるということも試みられていますが、厳しいものがあるでしょう。

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