廃れゆくシャッター街の「昭和喫茶」に世界中から人が訪れる。それでも「僕らの代で最後、なくならんうちに来てくださいね」と店主が言う深い訳

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「がもよん」にある「白泉堂」店主の高柳明弘さん。駄菓子屋エリアは明弘さん、喫茶エリアは妻の貴和美さんと、夫婦で役割分担している(筆者撮影)
昭和の時代に数多く生まれた個人経営の喫茶店も、時代の流れとともに減りつつあります。
けれど――喫茶店に漂う独特の心地よい空気感は、そこで過ごした人々の記憶の中に今も静かに残り続けます。誰にとっても、心に残る思い出の喫茶店があるのではないでしょうか。
そんな喫茶店を愛する一人のライター・コトリスが、一杯のコーヒーをきっかけにマスターの人生や常連客の思い出など、店の背景にある物語をたどっていく本連載。街の喫茶店に息づく「人と店の物語」を記録していきます。
第3回は大阪市の城東中央商店街の一角にある「白泉堂」を訪ねました。(全5回)

駄菓子屋の奥に広がる、秘密基地のような喫茶店

シャッターを下ろした状態の店舗が目立つ城東商店街に、全国各地はもちろん海外からもお客さんが訪れる喫茶店がある。

大阪市城東区蒲生(がもう)四丁目は通称「がもよん」と呼ばれているエリアだ。大阪メトロ「蒲生四丁目駅」5番出口から南東へ歩き、城東商店街のアーケードに入りスギドラッグ脇の「城東中央商店街」を進むと、目的地の白泉堂にたどり着く。

白泉堂の店頭に立つと、100円玉を握りしめて遠足用のおやつを選んでいた子ども時代を思い出す(筆者撮影)
【写真28枚】昭和レトロな「白泉堂」の店内や商店街の様子はこんな感じ
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