お菓子が詰まった段ボールが、店のスペースをはみ出すほどに置かれている。
頭上にはカラフルなバルーンやいか焼の提灯が吊るされ、奥にはクレーンゲーム機の筐体が鎮座している。
所狭しと並ぶ駄菓子は約1000種類。
五円チョコやフエラムネ、ビッグカツなどの定番の駄菓子のほか、ポット入りの珍味、袋パン、アイドルのトレカ、アニメのキャラクターグッズが絶妙な配置でレイアウトされている。
店主の高柳明弘さん(72歳)いわく、「ひとつひとつチェックしながら並べるから陳列に2時間、片付けるのに1時間かかる」らしい。
さらに、駄菓子屋の奥にある「喫茶」と書かれたオレンジ色の扉を開けると、秘密基地のようなこぢんまりとした喫茶店が現れた。


駄菓子屋が子どものオアシスならば、喫茶コーナーは大人の隠れ家。
曲線を描くカウンター、惑星のようなランプシェード、リアルな写真を使ったメニューパネル、エメラルドグリーンのチェア。店内は昭和時代の風情をそのままに保っている。お孫さんが書いた習字が壁に貼られているなど、家庭的な雰囲気も味わい深い。一番安いアイスもなかは1個150円。人気のいか焼きは220円。1000円あれば豪遊できる「がもよん」の楽園だ。
喫茶コーナーを担当するのは、店主の妻・高柳貴和美さん(66)だ。駄菓子屋エリアは明弘さん、喫茶エリアは貴和美さんと、夫婦で役割分担している。
いか焼き220円にかき氷350円

人気メニューはいか焼きと神戸六甲牧場直送のソフトクリーム。いか焼きは以前は冬限定だったが現在は一年中食べられるようになっている。
「阪神百貨店のいか焼き屋さんで働いてるお兄ちゃんが、白泉堂さんのいか焼きはおいしいってよく食べに来てくれていたんです」と貴和美さんが顔をほころばせながら教えてくれた。
いか焼きのおいしさの秘密は、どうやら鉄板にあるらしい。
「いか焼きは火加減が難しい。お客さんがいないときは火を消している店が多いんだけど、それやったら全然おいしくならないんです。常に鉄板を熱くしておくのがおいしさの秘訣です」(明弘さん)
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