「容姿も肌もコンプレックスだった」『ちはやふる』の“ヒョロくん”役で話題のクセメン俳優・坂口涼太郎《男性の私がメイクをする理由》

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「今でもずっと敏感肌であるということと付き合っています。幼少期からスキンケアは、美容というよりもまず健康のため。化粧水や石鹸など、肌に触れるものは“誰でもどこでも手に入るもの”では私には合いませんでした」

当時はまだ男性の美容が今ほど浸透していなかった時代。それでも敏感肌のため、坂口さんは何を使えばいいのか模索し続けた。

「デパートコスメを買いに行って、オーガニックなら大丈夫だろうと思って買ったらピリピリして全然ダメだったりして。高かったのに悔しい〜! というような失敗を繰り返していました」

坂口涼太郎さん
お気に入りのコスメを手にしながら話す坂口さん(写真:梅谷秀司撮影)

「Mステの階段」から降りてくるような造形ではない

思春期には、肌だけでなく容姿へのコンプレックスに対しても、向き合ってきた。

「小さいときからハロプロに憧れていて、『モーニング娘。』に入りたいと思っていたんです。そもそもお前は“モー息子。”だろう、という問題以前に、鏡を見て、この顔はMステの階段から降りてくるような造形ではないなということに気づいたんです」

そこから、「この顔と向き合っていく」ための試行錯誤が始まった。

「この肉体を受け入れて、愛していくためにはどうすればいいのか? 鏡の前でどうやって笑ったら自分のことを美しいと思えるのか? どんな角度で写真に写ったら、自分が譲歩できる美しさ、理想とは違っても自分の価値観の中で美しいと思える状態になれるのか? 頭の中でロッキーのテーマソングが流れるくらいストイックに研究し尽くしていきました」

坂口涼太郎さん
幼少期の友人の言葉に傷つきながらも、「自分を受け入れる」ことに決めた(写真:梅谷秀司撮影)

そして、その努力は少しずつ実を結んでいった。

「この角度から見たら冨永愛さんかもとか、唇だけ見たらアンジェリーナ・ジョリーじゃない? といったポイントが見つかってきて。あれ、イケてるところもあるんじゃない? と思えるようになったんです。

そうしていくと、自分が嫌だなとか変えたいなと思う部分ほど、それが自分であるという、特筆すべき一部であるように思えてきて。今では、現在の自分がいちばん好きだし、美しいと思っているし、愛しているという感じですね」

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