「スポーツという狭い業界で小さな争いをしていても意味がない」…パ・リーグが大相撲と"越境コラボ"した納得の理由

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野球の場合は特に試合時間が長いですし、試合時間が定められているスポーツでもありません。さまざまなエンターテインメントが個々の自由時間を取り合うなかで、スポーツという狭い業界で小さな争いをしていても意味がないんじゃないかと。

もちろん、同じ地域を本拠地とするチーム間の交流も増えていますし、異なるスポーツ間での人材交流の活発化も感じています。例えば、元プロ野球球団職員が他のスポーツのチームやリーグに転職して活躍するケースや、その逆もです。競技の枠を超えた交流などが近年は増えてきていますし、それぞれのノウハウが行き来しているのは有意義なことだと感じています。

昨年の年末には、エスコンフィールドHOKKAIDOで初めてBリーグの公式戦(レバンガ北海道VSシーホース三河)が開催されました。グラウンドの内野エリアにバスケットコートを設置して試合をしたのですが、観客数もBリーグ最多記録を更新するなどとても盛り上がったと伺っています。こういったスポーツの興行を通常の本拠地ではない場所で開催するスペシャルな興行の事例は、アメリカではこれまでもありましたが、日本ではまだ少ないですよね。今後は日本でも増えていくといいなと思います」(森氏)

双方のメリット

コラボ企画をやるからには、双方がメリットを享受できなければ意味がない。協会に対してどのような提案をしたのだろうか。

「パ・リーグの各球場で行われる試合の客数は、平日も含めて1日約2万~約3万人。レギュラーシーズンは各球団が143試合を戦うため、シーズン中はほぼ毎日どこかの球場で試合が行われています。パ・リーグ6球団とコラボすることで、多くのプロ野球ファンとのタッチポイントが作れますし、大相撲をPRできるメリットがある、といったお話はさせていただきました。

それと、大相撲は今回のような大規模のコラボイベントを実施した前例がなかったようで、『果たしてできるのか』といったお話も上がっていたようです。特定の企業やIP作品とのコラボはあったようですが、関取がいろいろな場所(球場)へ行って企画に参加するようなことはなかったと伺っています」(森氏)

大相撲とパ・リーグというスケールの大きなコラボだからこその苦労もあったようだ。後編では、コラボ実現に向けて最も苦労したことや、想定以上だったというPRの効果などについて聞いている。

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