「スポーツという狭い業界で小さな争いをしていても意味がない」…パ・リーグが大相撲と"越境コラボ"した納得の理由

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「まず、国技と言われる相撲と国民的スポーツと言われるプロ野球がコラボすることで、スポーツ界全体を盛り上げたいと思ったんです。相撲は誰もが知っていますし、球場全体の一体感を醸成できるんじゃないかということ。

それと、“人”がいることも大きいです。今回は主に関取の方々がここで言う“人”に当たるのですが、始球式で投げてもらうだけではなく、イニング間や試合前、試合後のイベントにご出演いただくなど、イベント全体の幅が広がるんです。

なぜ、コラボするのか?という大義名分も大事です。今回は、調べている中で日本相撲協会(以下、協会)が財団法人になって今年で設立100年ということを知ったことも大きなポイントになりました。パ・リーグも今年は初の公式戦から75年の節目でもあり、コラボの契機になるなと。

それと個人的にですが、大相撲を大学の卒論のテーマにしていたほど、私自身が大相撲のファンであったことから、どんなコラボができるか最初にイメージが持てたことも企画を考えるきっかけになったかもしれません」(森氏)

同企画を発表した記者会見には、想定以上のメディアが集まったという。

「今年3月、大相撲とパ・リーグのコラボ企画を発表する記者会見を京セラドーム大阪で開催したのですが、その際に『パ・リーグ×大相撲』と金色の文字で打ち出したビジュアルを制作しました。映画のポスターで登場人物が大勢出てくる表現をよくすると思いますが、描いていた世界観はそんな感じでした。関取とプロ野球選手が大勢載っていて、一見すると「何だ、これ?」と思われるようなビジュアルを作りたかったんです。

インパクトがあったのか、ファンの方々からかなりの反響がありましたし、記者会見には多くのメディアの方々が来てくださいました。ちなみに、『パ・リーグ×大相撲』の字は協会の行司さんに相撲字(行司が書く独特の書体)で実際に書いていだたきました」(森氏)

お相撲さん仕様の椅子に驚いた

コラボ企画を告知するにあたって、『単にプレスリリースを出して終わりにしたくなかった』という森氏。記者会見を京セラドーム大阪で行ったことには理由があったようだ。

「大相撲が3月の大阪場所を終えたタイミングで、関取の皆さんが大阪にいらっしゃったんです。プロ野球も開幕直前でしたし、これは大阪でやるしかないなと。それで大阪を本拠地とするオリックス・バファローズ(以下バファローズ)にご協力いただきました。

記者会見には古田島成龍投手が出演してくださり、協会からは(大阪府出身の)宇良関が出演してくださいました。当初は6球団の選手に揃って参加いただくことも考えましたが、開幕直前ということもあり難しくて。ただ、そんなタイミングの中でも、バファローズの皆さんと古田島投手の協力で会見ができましたので、とても感謝しています」(森氏)

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