マンション1億円超で高すぎる…「賃貸」と「持ち家」どっちが得か問題に対する答え

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最後の値引きのメカニズムは明快だ。分譲戸建ての事業の多くは1年の短期借入金で行われている。つまり、事業者はお金を借りて、土地を購入して、設計して、建設して、竣工した時にはすでに半年程度経過しており、早く売ることを銀行に求められている。

このため、できることなら、竣工前に売りたいのが本音になる。竣工からすぐに値引きが始まることもある。だからこそ、竣工年月を見ることがとても重要になる。それは物件検索サイト上の物件概要として必ず掲載されている。もし、竣工後2カ月経過していたら、値引き交渉の可能性があると考えたほうがいい。

例えば、分譲戸建の場合、4区画ある販売現場で真っ先に売れた住戸が一番いいかと言ったら、そうとも言えない。残っていた住戸が竣工月を過ぎて、値引きが入ると割安で買えているかもしれないからだ。

高くなりすぎたマンション

これまで見てきたように、戸建はマンションとは資産性も売り方も違う。それ以外に、顧客ニーズも違う。そこで、住まいサーフィンでは、戸建ての購入動機を調べている。

1番多かった戸建ての購入動機は、子供に関することになる。

・子供が伸び伸び暮らせる家に住みたいため
・子供の出産を機に、進学率の高い学区に引越したい
・子育てのために広めの住居と周辺の教育環境を整えたい
・子供が大きくなりマンションが手狭になった

子供がいるからこそ、マンションより戸建てが良いという声もある。それは音問題だ。

・子供の誕生で、マンションよりも騒音を気にしなくて済む戸建ての志向が強まった
・子供が小さいうちは戸建てで音を気にせず育てたい

2番目に多かった購入動機は、家の広さになる。

・子供が大きくなったのでマンションは手狭なので、広い家を検討したい
・テレワークで家にいる時間が長いので今より広く快適な住まいが欲しい
・将来的に世帯人数が増えることを想定して、広い戸建てに引っ越したい

新築分譲戸建の面積は100㎡前後で、マンションの70㎡前後よりも広く、間取りも4LDKが豊富にある。こうしたニーズがはまる家族は多いだろう。マンションは高くなりすぎた感がある。賃貸に住んでいるようなら、戸建て購入の合理性を一度吟味してみる価値はあるだろう。

沖 有人 不動産コンサルタント

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おき ゆうじん / Yujin Oki

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、監査法人系・不動産系のコンサルティング会社を経て、1998年に現スタイルアクトを設立。住宅分野において、マーケティング・統計・ITの3分野を統合し、日本最大級の不動産ビッグデータを駆使した調査・コンサルティング・事業構築を得意とする。設立当初から運営する分譲マンション価格情報サイト「住まいサーフィン」の会員数は30万人以上。『マンションは10年で買い替えなさい』(朝日新書)、『タワーマンション節税! 相続対策は東京の不動産でやりなさい』(朝日新書)など著書多数。

 

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