「ちょいダサ、だがそれがいい」「最近、高級化した?」衣料品チェーン《しまむら》が2年連続最高益で、密かに“勝ち続けている”ワケ

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縮小

しまむらの部門別売り上げを見ると、婦人衣料、肌着、紳士衣料という3部門で全体の65%の構成です。しまむらの主要3部門と言えます。

しまむら部門別営業実績

肌着は別として、婦人衣料、紳士衣料の両部門は総合スーパー(GMS)が年々、売り上げを減少させている部門です。

下記は2021年のデータですが、アパレル小売市場縮小の中で、特にGMSなどの量販店では紳士服、婦人服、子供服のすべてが減少しているのがわかります。一方で、ネット通販などその他の業態が売り上げを伸ばしています。

とはいえ、世の中から量販店で扱うような洋服の市場がなくなるわけではありませんから、しまむらはGMSで買わなくなったお客さんの受け皿になろうとしているのです。それが、同社があらためてアパレル3部門を強化している理由だと筆者は考えています。

アパレル小売売上

「“ちょっといいもの”も買えるしまむら」に変化

しまむらグループは2021年度から2023年度まで、中期経営計画で「リ・ボーン」をテーマにしてきました。「本来の輝きを取りもどす」ための3つのポイントに「商品力の強化」「販売力の強化」「基礎と基盤の強化」を掲げていました。

商品力については、多品種少量を基本軸として、自社開発ブランドのPB商品と、取引先メーカーとの共同開発ブランドであるJB(Joint Development Brand)商品という2つの商品開発に重点的に取り組んでいます。

中でも、PBの「CLOSSHI(クロッシー)」と「CLOSSHI PREMIUM(クロッシープレミアム)」の商品開発を強化し、売上構成比も上昇。PBの売上高は前年比13.6%増、しまむら全体売り上げの24.3%を占めるまでに成長しています。

しまむら
しまむらのPB「CLOSSHI」シリーズ。機能的な商品を多数開発している(筆者撮影)
しまむら
「CLOSSHI PREMIUM」はやや高級ライン。確かに、しまむらの他の商品より高いように感じる(筆者撮影)

筆者はしまむらPBのCLOSSHIの「メンズ FIBER DRY(ファイバードライ) さらっとクール2枚組インナー」1199円(税込み)を2種類購入してみました。

少し高いかなと思いましたが、着用すると予想以上の高機能で、汗ばんでもニオイが抑えられて、汗の乾きも早いように感じています。

通常はユニクロのエアリズムを着ることが多かったのですが、それよりも安価で手に入るしまむらのファイバードライシリーズに切り替えてもいいかもと考えています。

しまむら
汗ばんでもすぐに乾き、嫌な臭いも出にくく感じた「ファイバードライシリーズ」のTシャツ(筆者撮影)
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毛玉になりにくく、襟もよれにくいという「ヘビロテシリーズ」(筆者撮影)
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