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「ちょいダサ、だがそれがいい」「最近、高級化した?」衣料品チェーン《しまむら》が2年連続最高益で、密かに“勝ち続けている”ワケ

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  • 岩崎 剛幸 経営コンサルタント/ムガマエ代表取締役社長
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それは、しまむらが「ローコストオペレーション(コストのムダを省きながら効率的に事業を運営すること)」を徹底する、日本を代表する小売業だからです。ここがしまむらの一番の強みと言える点です。

販管費率の低さはしまむらの専売特許です。私が初めて同社の本社を訪れた30年以上前の1992年当時、販管費率が23~24%程度でした。当時は粗利率も29~30%程度でしたが、営業利益率が5~6%前後出ていて、当時の小売業の中では高収益企業であり、ローコスト経営の見本のような会社でした。それを今も続けているのです。

しかし、時代とともにさまざまな経費が上昇している現在、従来のままの収益構造では同社が目指す、営業利益率10%以上を出すことが難しくなってきています。そこで今、しまむらでは稼ぎの構造を変化させようとしています。

しまむらは人件費を前年と比較して7%以上増加させていますが、労働分配率(粗利に占める人件費の割合)は39.1%。優良小売業では労働分配率40%以下が目標とされていますので、しまむらはそれを徹底できていると言えます。

ただし、今後も人件費は上昇することが考えられますので、それ以外の経費をどれだけ抑えるかがポイントとなります。

その点、同社は広告宣伝費を抑え2024年比で4%程度減少させています。チラシ配布にこだわってきた同社も、チラシ配布部数を見直してデジタル販促へとシフトすることで販売費を抑えています。

出店先も吟味し、都心でも少し古い物件の3Fなどに出店することで、家賃もできるだけ抑えられるような工夫をしています。同社は経費については特に厳密にコントロールしている企業なのです。

東京・調布駅から徒歩5分ほどの場所にある東急ストアの3階に出店するしまむら(筆者撮影)
「掘り出しもの」を見つけるのが楽しい、しまむらの店内(筆者撮影)

「総合スーパー」で売上減の衣料品部門を強化

また人件費を上げ、優秀な人材を定着させ、主力事業であるしまむらの1店舗当たり売り上げを毎年上げてきていることも同社が進化させている点です。いまやしまむらは1店舗当たり3億5000万円を売り上げます。

30年前には立地もロードサイドの150坪規模が多く、売り上げは2億円から2億4000万円程度でしたので、店舗売上高も高く上げられる業態になってきているのです。

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【いま強化している商品】

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