日本でもキヤノンが2016年、東芝メディカルシステムズを6655億円で買収。2021年に富士フイルムは1790億円を投じ日立製作所の画像診断事業を買収した。両社ともこれまで医療機器事業は展開していたが、あくまで「いち部門」にすぎなかった。
そしてオリンパスは、カメラ事業や祖業である顕微鏡事業を次々と売却し、医療機器専業メーカーとなった。
先進国における高齢化と新興国の人口増加を背景に、画像診断機器市場は年率4〜5%で成長を続けている。特に東南アジア、中東、南米などでは医療インフラの新設や更新が活発で、市場拡大を牽引している。今後も継続的な成長が見込まれる。
問われる覚悟
一方で、日本市場は苦境に陥っている。医療費抑制政策の影響で、医療機関の設備投資意欲は停滞。長期的には人口減少で市場の伸びは緩やかになっていく中、日本企業は「海外市場」に成長を見いださざるをえない。
成長が見込まれる医療機器市場だが、市場構造の変化、地政学リスク、そして新たな競合の台頭で競争環境は激化している。進むも退くも、待ち受けるのは茨の道だ。“日の丸”医療機器メーカーは、世界で戦う覚悟を問われている。

