サンディスク、190億ドルでHDD大手の傘下に ウエスタン・デジタルが買収
[21日 ロイター] - ハードディスクドライブ(HDD)製造の米ウエスタン・デジタル<WDC.O>は、半導体メモリー大手の米サンディスク<SNDK.O>を約190億ドルで買収すると発表した。スマートフォンなどに搭載されるフラッシュメモリーストレージ事業を強化する狙いがある。
1株当たりの買収額は86.50ドルで、これはサンディスクの前日終値に15%のプレミアムを上乗せした水準。
低価格の半導体に加え、ネット接続可能な機器に搭載する半導体への需要を背景に、業界では再編が加速している。
ウエスタン・デジタルがソリッド・ステート・ドライブ(SSD)市場で競争力を高めるには、サンディスクのNAND型フラッシュメモリー技術が必要だとみられている。SSDはクラウドコンピューティングやデータセンターのほか、スマホやラップトップに使われる。
買収完了には、サンディスクとフラッシュメモリー工場に共同投資する東芝<6502.T>の同意も必要となるが、ウエスタン・デジタルは東芝が支持する立場を示したとしている。
東芝は買収により、合弁事業の継続や自社の事業に悪影響が及ぶとは考えていないとした。
最終的な買収額は、中国政府系の清華ホールディングス[TSHUAA.UL]子会社によるウエスタン・デジタルへの投資により左右される。
買収前に投資が完了すれば、ウエスタン・デジタルはサンディスクに対し、1株当たり現金85.10ドル、およびウエスタン・デジタル株0.0176株を支払う。
投資が完了しない、または打ち切りなら、1株当たり現金67.50ドルと0.2387株を支払うとしている。
米国と中国が経済スパイ問題で対立する中、買収計画は米中双方の当局から厳しい審査を受ける見込みだ。
ウエスタン・デジタルは、買収完了後1年以内に実質利益の押し上げ効果を見込む。
米国株式市場で、ウエスタン・デジタル株価は0.3%上昇。
サンディスクは一時78.50ドルまで買われたが、買収提示額の86.50ドルを下回っている。ウェドブッシュ証券は、投資家は買収価格について52週高値の水準を見込んでいた可能性があるとしている。
サンディスクは昨年12月8日、52週高値の106.64ドルをつけた。
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