「日本の漁業では小さな魚を獲らない」はウソ…? 世界の中で日本の水産業だけ「一人負け」となった"本当の理由"
拙稿を読んで、日本の水産資源管理の実態に驚く日本の読者が多い一方で、北欧の水産関係者からは逆に「科学的根拠なしに漁獲を続ける」日本のやり方に驚かれます。
当然のことながら、一部で言われている「日本の資源管理がすばらしい」などの反応は聞いたことがありません。現状のやり方では、国際的な圧力で国別の漁獲枠を実行したクロマグロを除き、資源が回復することなどないのです。
他国は生産量が増える予想の一方で日本は激減
世界銀行やFAO(国連食糧農業機関)などが示している世界のデータでは、日本の生産量(漁業と養殖)は例外的に悪く予想されています。さらに予想を上回って悪化が進んでいます。しかし、そういったことが報道されることは、ほとんどありません。

上表にある世界銀行による2008年時点での2010年と2030年の予想(海藻類除く)は、世界全体で約1億5113万トンから約1億8684万トンへと世界全体では23.6%の増加に対して、日本はマイナス9%という悲観的な予測がされていました。

その予想は上の表でまとめたように2023年時点では、世界全体では2億2800万トンとすでに37%増加している一方で、我が国は当初予想の9%減少にとどまらず、29%減少という「異常事態」に陥っています。
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