腎が弱っていると、東洋医学でいう五志のなかの「恐(きょう)」の感情が強く出やすくなります。その結果、何でもないことを恐れたり、些細なことに驚きやすくなったりします。
腎を元気にする「食養生」
腎は予防策を講じなければどんどん衰えていきますが、食事で腎を養うことで、そのスピードをゆっくりすることは可能です。
腎が必要とする味は「鹹(かん)」で、これは塩辛さを表す古い漢字です。塩辛さをもつ食材は、海藻、小魚、貝類など、海のものが多いです。
塩が使われている味噌、しょうゆなどの調味料もここに分類され、これらを意識的に摂ることが大事です(塩味と腎の関係については後ほど解説します)。
黒い色の食べものというと、黒豆や黒ごまなどがわかりやすいですが、真っ白でない食べものなら大丈夫です。白米より玄米や分つき米、小麦粉より全粒粉などがいいでしょう。
また、小豆やにんじん、赤身肉、 レバーなど、赤い食材も東洋医学でいうところの血(けつ)を増やして血流を良くし、結果的に腎の働きを助けます。生姜やねぎ、山椒、胡椒などの薬味やスパイスを適量使うと、無理なく体が温まり、腎が養われます。
黒い食べもの:黒豆、黒ごま、のり、昆布、黒きくらげ、ごぼう、黒砂糖、黒米、 黒酢など
赤い食べもの:小豆、にんじん、赤身肉、 レバーなど
なかでも筆者が特におすすめしているのは、黒豆です。
炊き込みご飯やスープにしたり、玉子焼きやホットケーキに混ぜたり、炒り豆にするなど、さまざまな料理に使えます。豆から出る汁に有効成分が多く含まれているので、煮汁やゆで汁は捨てずに使うようにしましょう。
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