意外な商機! ≪リユース着物≫が「億円ビジネス」に “無人販売&量り売り”が拓く新市場とは?

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縮小

「それまでは一部フランチャイズ店での取り扱いはありましたが、直営店では名古屋の店舗を含む約10店舗でスタートしたのが最初です。そのとき、着物業界は縮小傾向にあるという認識で、販売は難しいイメージを持っていました。しかし買い取り需要があることや、顧客からのリクエストなどもあり、思い切って参入することにしました」

ブックオフの着物売り場
売り場の様子。着物はハンガー陳列で見やすく(写真:筆者撮影)

2020年は東京オリンピック開催によるインバウンド需要の期待が高まっていた頃。だが、コロナによるパンデミックが起こり、その期待は打ち砕かれる。「ところが予想に反して着物の売り上げは順調に伸びていて。分析を進めた結果、若い人たちが購入していることが判明しました」。

他店に比べて低く抑えられた価格、さらに店舗内にある洋服と組み合わせるなど自由に着物を楽しむ若年層が、売り上げと認知を高めてくれた。

「そこで2022年には改めてメインターゲットを若者や外国人などのエントリーユーザーに定め、店頭に着物の着方を説明する冊子を置くなどの取り組みを始めました」(長谷部氏)

帯や小物の販売コーナー
帯や小物も充実しており、エントリーユーザーが必要なものはほぼ揃う(写真:筆者撮影)

10店舗でスタートした着物売り場は急速に拡大し、2025年6月現在は55店舗に達した。

「売り上げも初年度と比較して約10倍、金額規模だと1000万円程度から億単位まで増加しています」

販売店舗が増えているということは、買い取り量も増えているということ。個人からの買い取りをメインとしている同店で、専門知識を要する着物の査定は難しくないのだろうか。

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