意外な商機! ≪リユース着物≫が「億円ビジネス」に “無人販売&量り売り”が拓く新市場とは?
ある日、とある企業から大量の着物の在庫処分について相談を受けたという代表の森智宏氏。それが量り売りを始めるきっかけになったと語る。

「当時はまさにコロナ禍。基幹事業が打撃を受けていて、商品をつくる余裕すらないほどでした。そこで当社が持つ販売ノウハウや、アイディアを集めて始めたのが着物の量り売りでした」
長年の取引関係があるファッションビルに期間限定のポップアップ(催事販売)として出店したところ、予想以上の好評を得た。量り売りという手法を取ることで、顧客にワクワク感を与えるだけでなく、店舗での滞在時間を長くすることができるのだという。
「お客様がたくさんいる店には自然と人が引き寄せられます。これは長年お土産専門店をしていて得た経験によるもの。仕掛けがバチッとハマり、開始すぐに1日の売り上げが50万円ほどに達し、手応えを感じました」(森氏)
初年度はポップアップのみの展開だったが、売り上げは好調で、2023年に京都・新京極、2024年に石川・金沢に常設店をオープンさせた。「コロナが落ち着いたこと、またインバウンド需要の拡大により、現在は2店舗で年間1億円ほど売り上げています」。

とはいえ廃棄の可能性すらあった在庫の着物を、そう簡単に売り切るのは容易いことではないはず。「それにはいくつか理由があります。1つはインバウンド客の嗜好性の違い。アメリカ、ヨーロッパ、アジアの方、それぞれが選ぶ着物がまったく違う。そのおかげであらゆるタイプの着物が売れています。もう1つは商品の中にランクが上の着物を混ぜること。そうすることで宝探しのような気分が盛り上がりますし、リピーターの獲得にもつながっています」(森氏)。
リユース大手ブックオフでも着物売り場が拡大中
国内リユース大手のブックオフコーポレーションが運営する「BOOKOFF SUPER BAZAAR(ブックオフ スーパー バザー)」 ならびに「BOOKOFF PLUS(ブックオフ プラス)」が、本格的にリユース着物の取り扱いを始めたのは2020年のこと。同社の長谷部恵太氏はこう語る。
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