トラブル回避、仕事でヤバい人に「巻き込まれない」ための処世術――まずチェックしたいのは相手が向ける「2つの目線」

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私の経験上、相手が向けてくる「目線」は大きく2つに分けられます。「パートナー目線」と「業者目線」です。

【パートナー目線】
・アイデアと能力を提供し合い、ともに目標に向かって努力をしよう
・長期的かつ良好な関係を築くために、お互いの役割をしっかり果たそう

【業者目線】
・あくまで契約に基づき、お金を払う側が「主」で受け取る側は「従」だ
・win-winはあくまで理想で、自分の利益追求こそが第一である

このように「パートナー目線」は、いわゆる「フラット」の関係を目指すことに努めるものです。

こちらが持っている専門性や人材をリスペクトし、要求すべきことは要求しますが、無理やり押しつけてくるようなことはしません。同じ目標に向かって課題を解決する熱量があり、とても健全な仕事をすることができます。

一方の「業者目線」は、いわゆる「主従」関係をはらんでいるもので、できるだけ買いたたこうとしてきたり、自分の主張を押し通そうとしてきたり、何かミスがあればこちらに責任を押しつけようとしてくるマインドが潜んでいます。

「逃げる」コマンドを常に持っておく

「スタンフォードの監獄実験」をご存じでしょうか。

この実験は、囚人役と看守役のグループに分けて、それぞれの役割を演じてもらうとどうなるのか、を調べたものです。実験なので、もちろん実際には囚人でも看守でもありません。

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ただ結果は、驚くべきことに、時間の経過とともに囚人役はより囚人らしく、看守役はより看守らしく振る舞うようになりました。

看守役が囚人役に暴力を振るうようになるなど、あまりにも危険な状態に陥ったために途中で実験は中止されたそうです。

すなわち、強い権力を与えられた人間と力を持たない人間が、同じ空間で一緒にいると、次第に理性の歯止めが利かなくなり、暴走してしまう。しかも、元々の性格とは関係なく「役割を与えられた」だけでそのような状態に陥ってしまうのです。

要は、「立場が人を変えてしまうことがある」ということ。だから、主従関係を目論む「業者目線」であなたを見てくる人は危険なのです。

対処法は、ただ1つ。嫌な予感がしたら全力で逃げましょう。「業者目線」の人に巻き込まれると、心身ともにすり減ってしまいます。すると、他の仕事にも悪影響が出てしまいます。

そうならないためにも、「逃げる」ことを常に選択肢に入れておき、1つの仕事にしがみつかず、次のステージへさっさと移りましょう。

大嶋 慶 マーケティング戦略プランナー・コミュニケーションデザイナー

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おおしま けい / Kei Oshima

1975年、大阪府生まれ。青山学院大学卒業後、外資系広告代理店入社。
その後、大手広告代理店等を経て、2016年、(株)Make Differenceを立ち上げ、ナショナルクライアントのブランド戦略、コミュニケーション戦略、キャンペーン施策を手がける。2010年には「食べるラー油」キャンペーンを手がけ、ブームの火付け役となる。MCEI International Marketing Excellence Award金賞やJPMプランニング賞を受賞。担当クライアントは日産自動車、三菱自動車、サントリー、アサヒビール、桃屋、エバラなど多数。
著書に『「超」戦略的に聴く技術』(三笠書房)がある。

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