基本的に東上線は側面の窓を背にしたロングシートが並ぶ“ザ・通勤車両”ばかりだが、「50090型」は唯一、進行方向に向かって座るクロスシートに転換することができる。ドアとドアの間に並ぶ座席が転換式で、クロスシートの場合は2+2の配列、ロングシートの場合は6人がけになる。
ロングシート・クロスシートの両方に転換できる座席を備えた本格的な営業用車両は、1997年に登場した近畿日本鉄道の「5800系」の「L/Cカー」が最初だ。いまでは西武鉄道、京王電鉄、東急電鉄、京浜急行電鉄と、関東の大手私鉄で採用例が広がった。

50090型のクロスシートの車内(記者撮影)
「ロング」「クロス」を使い分け
もともと有料特急が充実している近鉄ではロングシート・クロスシートどちらの状態でも追加料金なしで乗車できる。が、関東の私鉄では、通勤・帰宅時間帯の有料座席の「ライナー」として運用する際はクロスシート、それ以外は基本的にロングシートの状態でほかの通勤型車両と同様に走らせるスタイルが定着している。

クロスシートからロングシートへ転換中(記者撮影)

50090型のロングシートの車内。一人当たりのスペースはゆったりしている(記者撮影)
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