(第41回)職がある者は守られ 若年者が負担を負う

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図に示すのは、雇用調整助成金の都道府県別の対象者数(計画届受理ベース)の状況である。対象者数が、当該都道府県の人口に対して1%を超える県を赤で、0・5%以上1%未満の都府県を薄赤で示してある。

地域によって、この比率に著しい差があることが分かる。最も高い岐阜(1・51%)と最も低い沖縄(0・026%)では、58倍もの差がある。山形、福島、石川、福井がかなり高いことが注目される。この地域は、第38回で示した「製造業雇用者の高い地帯」とほぼ重なる。

他方で、農業の比重が比較的高い県では、比率が低い。北海道は0・18%だ。四国はいずれの県も0・2%台だ。また、九州でも、福岡、大分を除いて0・3%以下である。

大都市が存在する地域でも、比率は低い。首都圏では0・6%以下だし、零細工場が密集する東大阪市がある大阪の数字も0・72%だ。福岡は0・7%、宮城は0・8%だ。これは、大都市ではサービス産業の比率が高いからだろう。

比率が1%を超える地域は、愛知、静岡を中心とする自動車産業のサプライチェーン工場が存在する地域なのだ。雇用調整助成金は、形式的にはどんな産業でも申請できる。しかし、実際には、製造業、なかでも自動車産業を対象としたものであることが分かる。


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