
カナダのメラニー・ジョリー産業相は6月28日、中国の監視カメラ大手の海康威視数字技術(ハイクビジョン)に対してカナダでの事業停止を命じた。カナダ投資法に基づく審査を実施した結果、ハイクビジョンの事業継続はカナダの国家安全保障を損なうと判断したのが理由としている。
ジョリー産業相がX(旧ツイッター)を通じて発表した声明によれば、この措置はカナダの国家安全保障当局および情報機関が提供した証拠に基づき、複数ステップの審査を経て決定した。と同時に、カナダ政府は各省庁や国営企業に対してハイクビジョン製品の調達や使用を禁止した。
米国では2021年に販売禁止
浙江省杭州市に本社を置くハイクビジョンは、監視カメラを利用したビデオセキュリティーシステムの世界最大手だ。カナダの隣国アメリカでは、同社は2021年に「国家安全保障に脅威を与える機器とサービスのリスト」の対象に指定され、アメリカ国内での販売を禁止された。
カナダ事業に関しては、ハイクビジョンは2015年1月に現地法人を設立し、主に企業ユーザー向けにビジネスを展開してきた。
今回のカナダ政府の決定は、あくまでハイクビジョンのカナダ事業が対象であり、カナダ国外のビジネスには影響しない。また、カナダの民間企業はハイクビジョン製品を使い続けることもできる。だが、ジョリー産業相は声明の中で「すべてのカナダ国民がこの決定に留意し、自主的に判断を下すことを強く勧める」と述べた。
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