“15年休みなし”のラーメン店経営をやめて岩手から東京に移住した54歳男性。三男が猛反対、「泣きながら盛岡を出た」意外な顛末

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みきこさんの実家は「男はつらいよ」の舞台である葛飾区柴又にあり、ひとしさんも「お義母さんの近くに行こう」と背中を押した。もともと母の近くにいたいと思っていたみきこさんにとっては、まさに渡りに船だった。

2013年9月、まずひとしさんが先に一人で東京に移り、タクシー運転手の職を見つけた。みきこさんは三男が中2になる直前のタイミング、2014年3月に東京に来た。

葛飾区柴又の帝釈天参道(写真:Masa / PIXTA)

「東京に移住すると言ったとき、盛岡で生まれた三男は猛反対しました。まさか自分が盛岡を出るとは思っていなかったようです。でも最後は諦め、泣きながら盛岡を出ました。結局柴又の実家の隣になるアパートに住むことになり、夫と私、三男による新たな生活が始まりました」(みきこさん)

家族が移住するタイミングでは、すでに結婚していた長男は盛岡に残ると言って東京には来ず、次男は名古屋の大学に進学。三男は東京に引っ越した後、方言の問題でしばらく学校になじめなかったが、1年経って担任の先生やクラスが替わると、かなり生活に慣れていったという。

「東京に来てからは夫も最低週1回は休めるようになり、生活は大きく変わりました。これまでは飲食業だったので休みもほとんどなく、私の母が東北に来ることはあっても、柴又の実家にはまったく帰れていませんでした。ですので、私の母は東京に戻ると言ったとき、すごく喜びました」(みきこさん)

家族5人が再び同居も

柴又には4年ほど住み、その後、長男と次男がさまざまな事情によって同居することになったため、区内の別の地区へ転居した。これによって、東京の地で家族5人が再び同居することになったのである。

「現在は三男は家を出ましたが、長男と次男は今も同居しています。三男以外はお酒が皆好きで、誕生日などの記念日、年末年始などはよく飲みに行きます」とひとしさんは嬉しそうに語る。

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