《疲弊する現代人に》東大卒の名門校教師がおすすめする“哲学のハードルを下げてくれる本”5冊
能力と選抜という今の社会の大前提を一度取り払って考えてみることで、働くことへの希望が少し持てるようになる1冊だと思います。
最後に、これまでの本とは違った角度から漫画を紹介したいと思います。
この作品は高校の生徒会を舞台とした学園もので、誰のことも特別に思えない少女と、自分自身のことが嫌いなために他人からの好意を受け入れられない少女の2人を軸に展開していきます。
自己理解や他者理解、恋愛、役割演技といった人間関係にまつわるテーマが高い解像度で描かれており、文学性の高い作品です。
私の倫理の授業では、この作品のアニメ版を一部視聴して考察をしてもらったこともあります。
哲学の考え方に触れたいと思った時に難解な哲学書にチャレンジすることも大切ですが、フィクション作品の方が人間のリアルな感情や奇想天外なシチュエーションを描きやすい面もあります。『マンガは哲学する』(永井均著/岩波現代文庫)や『SFマンガで倫理学』(萬屋博喜著/さくら舎)など、漫画を切り口にした哲学入門書もあるので、漫画やアニメなどが好きな方はそうした角度から入門するのも面白いのではないでしょうか。
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