関税の徴収を8月1日から始める考え、トランプ氏、が関税率「10~70%」との書簡を対象国に送付へ

【ワシントン=田中宏幸】米国のトランプ大統領は4日、関税措置を巡り、貿易相手国にそれぞれ適用する関税率が10~70%になると表明した。関税率を記した書簡を同日から送り始め、関税の徴収を8月1日から始める考えも示した。「相互関税」の上乗せ分の停止期限である9日までに順次送るとしている。
米アイオワ州での演説を終え、ワシントンに戻った後、記者団に語った。トランプ氏は「1日に10~12通ほど書簡を送り始める。9日までには全てが網羅されると思う」と述べた。関税率については、「60~70%、または10~20%の範囲になるだろう。各国が関税として支払う金額を示すものだ」と説明した。対象国は明らかにしなかった。
日本との交渉を巡っては、トランプ氏は1日、「合意できるかどうか分からない。疑わしい」と言及し、30%か35%程度の関税を課す可能性を示唆していた。また、米側の交渉統括役を務めるベッセント財務長官も3日、米CNBCのインタビューで、「日本は20日に参院選を控えており、合意に向け国内的な制約がかなり多いと思う」と述べ、9日の期限までの合意は困難との見方を示した。
トランプ政権は9日までの90日間、「相互関税」の上乗せ分の適用を停止し、各国・地域と関税交渉を続けている。これまで英国やベトナムと貿易協定に関する合意に至っており、現在は欧州連合(EU)やインドなどとの交渉を重点的に進めているとみられる。
日米交渉では、日本側は一連の関税見直しを求めており、自動車関税の扱いを巡り協議が難航している。トランプ政権が4月に発表した日本に対する相互関税は、上乗せ分が14%で、一律分の10%と合わせて計24%となる予定だった。
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