「“卒業証書らしきもの”を見せたけど」東洋大学卒業ではなく除籍でした…静岡県伊東市・田久保真紀市長の《“学歴詐称”よりヤバかったこと》
また、市議会で追及された際、議長や秘書課に「チラ見せ」で“証拠書類”を示したそうですが、いったいその書類は何だったのか。記者会見でも再三にわたって記者から質問を浴びたものの、最後まで回答をはぐらかし、答えませんでした。
もし学歴を詐称していたとすれば、これは答え方や説明によって何とかなるものではありません。わざわざ事態を長引かせ、騒ぎを大きくするという、初動から間違っている“負け戦”にしてしまったといえるでしょう。

既視感のある「ひどすぎた会見」
会見は、田久保市長と弁護士が同席して行われました。ここまで述べてきたように、説明すべき点はきわめて明確でシンプルです。市長が東洋大学を卒業しているか、していないかだけの問題です。
しかし田久保市長は「市民や関係者にご心配をおかけし……」とテンプレ謝罪から始め、なかなか本質にたどり着かない経緯説明を繰り返すなど、一方的な釈明を行いました。
「卒業」ではなく「除籍」だったことを認める一方で、自ら学歴を公表していない(広報誌が勝手に書いた)というロジックで公職選挙法に抵触するものではない、つまり問題はないと伝達するのが、この会見の目的だと理解しました。
しかし、不祥事やトラブルの釈明において、自分側が有利になる情報だけを伝えるのは無理です。
今回の件は、先日、国民民主党から参議院選挙に出馬予定だった山尾志桜里氏の会見が大炎上し、結果として国民民主党離党にまで至った騒動を想起させました。
山尾氏の会見が批判されたのも、記者や世間が一番知りたいことに答えず、一方的に自身の発したいメッセージだけしか答えなかったことが大きな原因だと考えます。田久保市長の会見とその主張構造は同じに見えます。
問題の一番の核心として明らかにしてほしかった部分は、市長に詐称の意思があったかどうかです。その説明を一切しない市長に対し、質疑応答では記者団から厳しく追及されました。
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