あらゆる食材が値上がりしているなか、ステーキガストが2900円食べ放題を続ける理由

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こうして苦戦を続けたステーキガストの店舗の一部はすかいらーくグループの「から好し」などに業態を変えつつも、「ボリュームや質を重視する男性グループや、30~40代女性を中心としたファミリー層」をターゲットに運営を続けている。

塊肉を店舗で切り分けるこだわり

低価格路線を維持するステーキガストだが、価格と品質のバランスには注意を払っている。たとえば、サラダバーの野菜やハンバーグはガストと共通化したものを使用することで材料費を抑えている。

一方、「プレミアムステーキコース」の対象であり、グランドメニューの看板メニューでもある「熟成赤身ステーキ」はステーキガストで独自に材料を調達。希少部位のみすじを使用するこのメニューはブロック肉の状態から店舗で下処理を行い、さらに1人前のサイズに切り分けて調理する。

食べ放題とは別日にステーキガストを訪れて「熟成赤身ステーキ」を食べたところ、赤身肉の旨味が閉じ込められていて食感が気持ちよかった(写真:筆者撮影)

切り分けたスジ肉やステーキの切れ端は、料理の素材としても活用している。食べ放題を開催する日には洋風牛煮込みの具材として使用し、通常の営業日にはカレーに投入しているという。

また、おかわり自由なコメの産地にもこだわっているそうだ。もともとはガストグループで採用している国産のブレンド米を使用していたが、現在は栃木県産のコシヒカリに切り替えた。

このコメは甘味が強く、ステーキともカレーとも相性が抜群だった。コッテリとした脂との相乗効果で幸福感が全身に駆けめぐった。

量と価格のバランスをどう取るかは、食べ放題を実施する飲食店が直面する共通課題でもある。本連載では、他ジャンルの施策も追いながら、原価高時代の “食べ放題” を今後も取材していく。

【前編】「ステーキガスト食べ放題で『元は取れる』のか…? 2900円のコースに挑戦してみた結果」では豊富な写真とともに、実際に食べ放題に挑んでどれほど食べられるのかを検証している。
中 たんぺい フリーライター

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なか たんぺい

1989年生まれ。グルメ・テック・Webエンタメに関わるヒト・モノ・コトの魅力を深掘りするライターとして活動を行う。メーカー勤務10年を経て独立。群馬県在住。

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