「50人が教会地下で雑魚寝」「スーパーまで徒歩40分、食事はピザ」 《アメリカ独立リーグ》の過酷な実態と、それでも選手たちが身を投じる訳
このリーグでは、選手が参加費を支払ってプレーする。報酬はゼロで、生活環境は極限まで切り詰められている。
私が経験した年は、50人が教会の地下にある一つの部屋で寝泊まりし、電波も水も満足に使えなかった。


“水しか出ない”シャワールームがある市民センターまで歩いて15分。体を清潔に保つことすら一苦労だった。
食事の確保も容易ではない。スーパーまで歩いて40分かかり、日常生活そのものが過酷だった。
時折、運営の方が大量の差し入れをくれたり、試合後にピザが支給されたりするが、栄養面を考えると満足とは言えない。
それでも選手たちは「ここにいれば、上のリーグに行けるチャンスがある」と信じてプレーしていた。
エンパイアリーグはMLBパートナーズリーグ(MLB傘下のマイナーリーグ球団が母体の独立リーグ)と提携しており、優れた選手には上位リーグへの道が開かれているのだ。
ただし、日本人選手にとってのハードルは高い。ビザの関係でシーズン中のコールアップはほぼ不可能であり、マイナーリーグ契約を勝ち取ることは制度上可能ではあるが、その道は決して平坦ではない。
「片田舎のリーグ戦にスカウトが集まるのか?」
そう思わずにはいられない環境だった。
ペコスリーグ——最も過酷な独立リーグの現実
2つ目は「アメリカで最も薄給」と言われるペコスリーグ。2011年から始まったこのリーグは、選手の給与は 月200〜400ドルと、最低限の生活費すらまかなえない。
それでも、野球のレベルは決して低くない。実際にチームメイトには 150km/h超の投手が数人在籍していた。スペインU18代表としてロサンゼルス・ドジャースの佐々木朗希投手と対戦した選手もいた。
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