「結婚はしない」が「結婚したい」に変わる30代女子のリアル――「10年後、20年後も1人」「このまま年をとっていく」焦りと不安のなかで…

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「恋愛はそれなりにしてきました。でも、20代の頃は仕事が楽しかったし、結婚したら自由が奪われる気がしたんです」

なおこは、大学を卒業後、映像制作会社に就職をした。ADだった彼女は、深夜帰りも当たり前という生活。業界の同僚と何人かお付き合いもしたが、結婚することは考えられなかった。

「30歳のときに、当時付き合っていた人にプロポーズされかけたんです。でも、そこに飛び込めなかった。結局、あいまいに返事を濁していたら、関係もだんだんと薄くなっていって、彼は別の女性と付き合うようになりました」

なおこに訪れた心の変化

彼氏と別れてから今の広告代理店に転職し、独身のまま仕事に駆け抜けた。ただ、40歳という年齢が見えたときに、彼女の心に変化が訪れた。

「5つ下の妹が第1子を出産したんです。妹の子を抱っこした瞬間、“私は自分の子を抱くことなく、年をとっていくのかな“って、ふと考えてしまって……」

妹は32歳で結婚し、34歳での出産。メーカーに勤めていて、産休後から育休に入るという。全然違う人生を歩んでいるように思えた。

「赤ちゃんを抱いて、おっぱいをあげている妹の顔が、すごく幸せそうで。満たされた母の顔をしていたんです。仕事が楽しいから没頭していたけれど、結婚する幸せ、母になる幸せも最後のチャンスにトライしてみようと思ったんです」

結婚したからって、すべてが幸せになるとは限らない。すぐに相手が見つかるかどうかはわからない。それはなおこもわかっている。

「年齢的に子どもを授かるのは難しいかもしれない。けれど、とにかく行動しなければ何も始まらない気がしました」

こうして、なおこの婚活はスタートした。

「これからの人生は、自分のためだけに生きるのではなく、自分を大切にしながらも、パートナーと支え合い、分かち合う時間を重ねていくのも、人生の選択だなって。そして、もしも子どもを授かったら、家族の時間も大切にしていきたい。そのほうが1人で生きていくよりも、豊かな時間が過ごせると思っています」

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