「トラブルで全力ダッシュ&謝罪したことも…」ミシュラン5年連続受賞《明石焼の名店》が始めた自販機販売、設置費用200万円でも“お得”なワケ
――自販機の毎月の売り上げ、設置費用についても教えてください。

売り上げは、今の場所に移動してからは毎月10万円前後で推移しています。前の場所に設置していたときは、毎月20万円ほどの売り上げがありました。
前の場所は大通り沿いにあり、人目に付きやすかったので、売り上げ的には前のほうがよかったですね。ちなみに私たちは冷食のオンライン販売も行っているのですが、こちらの売り上げは毎月20万円ほどで推移しています。
自販機の設置費用は120万円ほどかかったと記憶しています。内装代などを含めると、全部で200万円くらいでした。決して安くない金額ですが、人件費がかからず、販売時間に制限がないことを考えると、長い目で見たときに「お得感」はあるのかなって。
自販機を置いた結果、想定外のトラブルも…
――どのようなお客様が自販機で購入されているんですか?
ほとんどが常連さんですね。常連さんは年配の方が多いんですけど、店内でご飲食された後、ご自宅用に買って帰るというパターンが定着しています。売れている時間帯は、夜よりも昼のほうが多いですね。平日休日など、曜日による売れ行きの変化は特に感じていません。
過去に1度だけ、お店が休みだったときに常連さんから「自販機にお金を入れたのに出てこない。売れ切れているぞ!」とお怒りの電話がきたことがありました。慌てて店に向かったら、自販機の中で商品が詰まってて……。新しい商品を持って、全力疾走でお客様の家へ向かい、謝罪したことがあります。

――商品を届けるために全力疾走するところが、常連さんと良好な関係を築いている、証明のように私は感じました。
従業員にも走ってもらったことがありますよ笑。自販機の商品は5種類×各10個、最大で計50個まで入るんですけど、常連のお客様から「自販機用の明石焼が10パック欲しいんだけど」と口頭で注文いただいたことがあって……。今自販機を設置している場所から数百メートル離れた、冷食用の保管庫までダッシュで取りに行ってもらいました。
――店舗に来店されるお客様の内、常連客と新規客ってどれくらいの割合なんですか? インバウンドの影響についてもご回答お願いします。
新規のお客様が60%、常連さんが40%の割合です。新規のお客様のほとんどは地元の方ではなく、観光客の方が占めています。スーツケースを持った方もよくご来店されますね。新規の方の内、60%くらいが日本人で、40%くらいが外国人の方です。欧米の方は少なめで、中国や韓国系の方が圧倒的に多いです。
インバウンドにまつわる話だと、外の自販機を食券機と勘違いした中国人の方がいらっしゃいました。食券ではなく明石焼が出てきて、かなり驚いたみたいです。
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