「トラブルで全力ダッシュ&謝罪したことも…」ミシュラン5年連続受賞《明石焼の名店》が始めた自販機販売、設置費用200万円でも“お得”なワケ

お目当ての自販機は店舗前にあった。商品ラインナップは全部で5種類あるようだ。明石焼(旨味だし)8個入り800円。明石焼(コク旨だし)8個入り800円。
淡麗塩ラーメン2食入り1000円。たこむす2個入り400円。とん平焼き1500円……。
自販機は24時間稼働しており、支払いは現金・交通系ICカード・ペイペイやワオンなどの電子マネーにも対応している(クレカと新札は利用不可)。
なぜ明石焼の自販機販売を始めたのか。月々の売り上げや、どのような人が買っていくのか……。たこつぼ本店3代目店主・大鳥真寛(おおとりまさひろ)氏に、気になる質問を直球でぶつけてみた。
飲食店とお客様がWIN・WIN「自販機販売の強み」
――明石焼の自販機を設置した経緯について教えてください。
コロナの緊急事態宣言が出された頃、店舗にご来店されるお客様が90%近く減少しました。どうにかしなきゃと思い、本店から歩いて2、3分の距離にある賃貸を借りて、テイクアウト専門の店舗運営を始めました。2021年11月から自販機販売に切り替え、2023年6月に自販機を本店前に移動させ、今に至っています。
――自販機設置はコロナがキッカケだったんですね。自販機の明石焼は、店舗の明石焼となにか違いはあるのでしょうか?
冷食用の商品は店舗で提供している料理とまったく一緒です。作り方は変えていません。唯一の違いは、容量の関係で、冷食用の明石焼は「特製だし」を濃縮させていることです。お客様にはご自宅で「特製ダシ」70mlを1対1で水、またはお湯で割っていただきます。



――自販機販売にどのような利点を感じていますか?
人件費がかからず、24時間販売できる点はやはり強いと思いますね。店舗でのご飲食後、持ち帰り用に買っていく方も多いです。ご年配の常連の方で、「今度孫が来たとき用に買って帰るわ。おいしい明石焼を振る舞ってあげたいから」と言っていただけたときは、お客様それぞれのニーズにうまくマッチしていると感じました。
店舗では提供してない料理を扱える点にも面白さを感じています。例えば今だと「ヌードルツアーズ」という全国の有名ラーメンを置いてます。その前は「コチュジャン味の明石焼」を置いていました。もちろん断トツで売れているのは明石焼(旨味だし)ですが……笑。自販機売り上げの70%は明石焼(旨味だし)で、その他の商品は月によってマチマチです。
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