そして、そういうとき、子どもは「自分が悪い」のだと思ってしまいがちです。お母さん方も、つまずいたのは「うちの子の能力が足りないからだ」と考えてしまうことがあります。
しかし、そうではありません。教科書を読みにくいと感じるのは、まだ学習言語に習熟していないだけです。言語に慣れれば、どんどんわかるようになります。それまでは、親や学校の先生など大人がサポートしてあげることが必要でしょう。
子どもには様々な能力があります。ですから私は、子どもが「わからない」と言ったときは、「あなたが悪い」と責めるのではなく、「なぜわからないのか」を一緒に考えるようにしていました。
小学校までは「苦手科目」を作らない
私は、小学校6年生までの学習内容は、すべてが将来の土台になると考えています。だからこそ、なるべく高いクオリティーで子どもには身につけてほしいと思っています。
小学校で学んだ内容を土台にして、中学校や高校でさらに知識が乗せられていくわけですから、小学校の時点では苦手教科を作らないことが大切です。
苦手なことを子どもの性格のせいにする親御さんもいらっしゃいますが、小学校のうちにそんなことは言ってはいけません。
私も、なんとか苦手教科は克服させなければいけないと思っていました。しかし、苦手な文章を「がんばって何回も読みなさい」と言ったところで意味がありません。
科目によって、苦手な理由は違いますし、その理由を1つひとつ潰しながら、苦手をなくすという努力をするべきでしょう。
算数が苦手という子どもには、計算力が足りないという理由が多いものです。けれど、計算力はあるのに、文章題の理解が足りないという場合もあります。つまり、「学習言語」の習熟が足りず、「算数の言語」を読み取れていないということです。
よく「この子は、国語が得意なのに、算数の文章題は点数がとれないんです」とおっしゃるお母さんがいます。
算数の文章と、国語の文章は違います。小説なら、何冊もくり返し読めば、主人公の気持ちを理解しやすくなるということはあります。でも算数は、整理整頓しながら読むしかない。くり返し深く読み込んでもダメなのです。
この点を勘違いしている親御さんは多いですから、しっかり割り切る必要があると考えます。学習言語というものがあるということを、早くから知っておけば、子どもの学力アップにもつながると思います。
(つづく)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら