【花王の部長→高校の校長】異色経歴の校長先生が伝授!時代に合わせて変えていくべき「勉強とキャリアへの向き合い方」
「両利きの経営」を意識して、「知の探索」を続けていくことが「先を見る目」を育むことにつながります。すべてを「探索」に振りきることは難しいもの。だからこそ、「知の深化」と「知の探索」の両輪を回し、未来へ向かう姿勢が重要になるのです。
進路選択は無限にある
中学生・高校生のきみたちは、「将来、なにになりたい?」と聞かれて困らない?
実は、僕がきみたちの立場だったらとっても困るだろうな……と思っていたんだ。
なぜ困るかといえば、将来に関する情報があまりにも少ないから。
首都圏であれば、周囲に企業で働くビジネスパーソンが多いので、少しは多様なイメージがつくかもしれないけれど、地方に行くと示されている選択肢がすごく少ない。
生徒たちの進路選択として、よく耳にするのが「看護師」や「教員」。もちろん、どちらも素晴らしい仕事です。なんせ、僕は40代後半で教員になったくらいだしね。
しかし、たくさんの道を知ったうえで「看護師」や「教員」を選んでいるのか、親や先生からいわれて、その道しか知らずに、「なりたい職業」として挙げているのかとではわけが違う。
職業は無限にあるし、中学生・高校生ならば今ない仕事につくこともあるでしょう。なんなら、複業・兼業がもっと一般化して、2つ、3つの仕事を掛け持ちすることが当たり前になるかもしれません。
つまりさ、大人が推す仕事につくことが正しいと思う必要はないし、社会にはもっとたくさんの仕事があるので、その情報を自分で収集してみてほしいのです。
一方で、大人には、「自分が生きてきた成功パターンに基づいておすすめする職業を子どもに押しつけすぎるのはやめましょう」と伝えたいです。「仕事の話をするな」ではなく、一面的な情報に留めず、もっとたくさんの人の仕事や働き方に触れて、子どもたちの仕事観を耕していってほしいと思うのです。
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