【花王の部長→高校の校長】異色経歴の校長先生が伝授!時代に合わせて変えていくべき「勉強とキャリアへの向き合い方」
僕が校長をしている下妻第一高等学校は約130年の歴史を誇る伝統校です。進学校なので、卒業生たちは先生になったり公務員になったり銀行に入ったりしています。これを読んでいるきみが、僕と同じように地方出身だったらよりイメージがつきやすいかもしれないね。
そういった人たちは自分たちの成功につながった教育を覚えているし、それこそがモデルケースだと思っています。だから、子どもたちにもそういった教育を行うことが大切だと考えます。
これまでの学校は、「知の深化」にとても重きを置いてきました。つまり、従来のモデルケースに従った教育です。
でも、「知の探索」にはまだまだ余地があると思うんです。僕が民間人校長として、学校現場にいることも、きっとその「知の探索」を期待されてのことでしょう。
マーケティングの世界でも大きな変化が起きています。メーカーがたくさんの人に向けて商品を作るマスマーケティングの時代から、とても細かく分かれた個々人の好みにアプローチするスモールマーケティングの時代へと変わっていったのです。
個別最適な教育の実現のために
昭和の時代は日曜日の夕食どきはどの家庭でも『サザエさん』を観ていました。今は、家族全員がリビングにいたとしても、それぞれがスマホを見ています。
この流れは、教室で黒板に向かって一斉授業をするマス向けの授業スタイルから、子どもたちの進度や学び方に合わせた教育を行っていく個別最適な教育への転換ととても近いと感じています。
つまり、学校現場における「知の探索」の鍵は授業スタイルの転換にあると僕は思っています。
また、生徒個々人に合わせた学び方を実現していくためには、どうしたって手間がかかるのでデジタルの力が必要になります。これは僕がeコマースの世界に入った流れととてもよく似ているような気がします。
もちろん商品と生徒はまったく違いますが、より個々人のニーズや「好き」が満たされることを実現していく姿勢は地続きだと感じています。
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