放置すると歩行に困難をきたすことも…高齢者の"背中の丸まり"を助長する「NGな座り方」2つ
当然その反対に、笑顔で快活にしていたり、「自分は病気にならない」「今日も元気」と信じたりしている人ほど、病気になりにくいといえます。
これは、目的達成のために必要なことを遂行できると信じる力(「自分ならできる」と強く思うこと)を意味する、「自己効力感」に通ずる考え方です。自己効力感は、スタンフォード大学の心理学者アルバート・バンデューラによって提唱された概念で、教育、ビジネス、スポーツ、健康など、幅広い分野で言及されています。
自己効力感が高い人と低い人を比較し、前者のほうが目的を達成したり、成功したりする割合が高いことを示す研究論文やデータは、枚挙にいとまがありません。
ここで私がみなさんに何をお伝えしたいか、もうおわかりでしょう。
背中の丸まりに象徴される「背中の老い」に向き合う際には、「絶対によくなる」「自分なら改善させることができる」「がんばったらがんばっただけ、よい成果が得られる」といったことを、自分に言い聞かせてください、ということです。
自己効力感が高まると、それがやる気の維持につながり、継続力も向上します。とくに老い出し体操は、一朝一夕で結果が出るものではありません。だからこそ、「絶対によくなる」と信じて、ポジティブに、継続的に取り組むことがとても大切になるのです。
「自分ならできる」
この言葉をつねに念じるようにしましょう。
「年だから」の口癖が「背中の老い」を進める
そうなると当然、後ろ向きの言葉は禁句になります。口に出さず、心の中でそう思うのもいわずもがなNGです。マイナスの感情を抱けば抱くほど、自己効力感は低下していきます。
「年だからもう無理よ。あきらめるしかないわよね」
「私はもういいの。続けられるとは思えないし、今さらがんばったって、この先の人生はそんなに変わらないわよ」
「年だから」と「私はもういいの」は、シニアのみなさんと接していて、頻繁に耳にする代表的なフレーズです。完全に口癖になっている人もいます。
でも、これを口にするのは今すぐにやめましょう。実際にはそこまで思っていなくても、です。言霊の力を甘く見てはいけません。自己効力感が下がり、達成度合いやスピードが、どんどん落ちていってしまうでしょう。
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