【グローバル人事の「目」】駐在員早期育成の最前線--これだけやれば何とかなる3つのポイント

 

ちょっとした工夫であるが、異文化コミュニケーションは、実際の仕事の局面に応じた対応方法を学んだ上で、駐在員候補がそれぞれ自分の理解レベルにあわせた「あんちょこ」のような「ツール」を手作りするとよい。

ツールにすれば、常に持ち歩き可能で、いざとなれば「ちら見」出来るので安心できる。また「カンニングペーパーを作ったら頭に入った」というように、ツール化を行いながらかなりの内容が頭に入ってしまう。

◆その3:最初が肝心、着任時を上手く乗り切らせる

就任時のスピーチで失敗すると挽回にはかなりの時間と労力を要する。いいスタートダッシュを切るために赴任前から就任時にコケないような仕掛けを練るとよい。

具体的には赴任先の事業計画を理解した上で、グローバル全体の中での赴任先の位置づけと、赴任先の組織内で起きている課題を把握してから赴任後の戦略計画を立てさせる。

また、赴任先の先輩駐在員やキーマンと直接面談させて、肌感覚で現地の状況を掴ませる。そうすると赴任先から「今度の駐在してくる社員はやる気がある」との印象を持ってもらえるため、赴任後のスタートがスムースになる。

次に赴任後の役割を踏まえ、就任スピーチの準備をさせる。就任スピーチは英語でビジネスが出来る人を指導者として、原稿作成と話し方の練習を徹底させる。

次回より、上記3点を中心に各施策の具体的な内容や赴任後のフォローの仕方について具体的な内容を解説する。

松本利明(まつもと・としあき)
人事ジャーナリスト、コンサルタント、HRストラテジー代表、MSC(マネジメントサービスセンター)エクゼクティブアドバイザー
プライスウォーターハウスクーパース、マーサー・ジャパン、アクセンチュアのプリンシパルを経て現職。外資系・日系の大手から中堅企業までの組織・人材マネジメント改革に従事。クライアント数は18年間の累計で300社を超える。著書に 『M&Aを成功させる組織・人事マネジメント』(日本経済新聞社)。寄稿、講演多数。

 

 

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