「老化が進みやすい親」と「進みにくい親」どこが違う?「こんなにも老いるスピードが違うなんて…」娘が両親の様子に驚いた理由とは

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リハビリにはかろうじて通ってはいたものの、デイサービスは嫌がります。やがてリハビリにも通わなくなると、母親の足腰はみるみる弱り、病気から約2年で寝たきりの状態に。認知症も患い、施設で最期を迎えたのが74歳でした。

「そんな母とまったく違って、人生を謳歌しているのが父なんです」と知人が言います。

彼女の父親は85歳の今も娘を頼らず、一人で暮らしています。周囲との交流が途絶えず、スーパーやコンビニでは店の人とすぐに仲良くなったり、住んでいるマンションの守衛さんと話し込んだり。一人暮らしでありながら、話し相手に困らない様子だそうです。

知人は晩年の父母の過ごし方の違いをみるにつけ、「高齢者は地域での交流が大事だって聞くけれど、本当にそうだと感じた。こんなにも老化のスピードが違うなんて」と話しています。

老化を防ぐのに役立つことは?

介護などで他人の手を煩わせることなく、最期まで「自立して」いたい。誰もがそう思うのではありませんか?

しかし現実は、平均寿命と健康寿命の差は女性が約12年、男性が約8年あります。では、健康寿命を延ばして、その差を埋めるために何が必要なのでしょうか。

栄養も運動ももちろん大事ですが、筆者は社会的交流の持つ「人と会う・話す・笑う」ことによる効果が、老化を防ぐのに大きく役立つように感じています。

料理が認知症予防に良いとされている理由の1つは、いろいろな工程を同時に行わなければならず、こうしたマルチタスクが脳の活性化につながるとされているからです。反対に、認知症の症状の1つに「料理ができなくなる」ことがあります。

人との交流、コミュニケーションもこれと同じようなもので、人が集まる場所に行くためには、人に会うための準備をし、移動し、誰と何を話すか、行って何をしようか考えるといった複合的な要素があります。

そうした一連の流れのなかで脳が活性化し、“老化を防ぐ効果”が得られるように感じます。

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