ソニー、イメージセンサー「勝利持続」への道 平井社長が描く勝利の方程式とは?

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結論から言うと、平井社長は自信たっぷりだった。

「単価の下落を避けるためには、優位を保たなくてはいけない。現在は技術面で差別化できているので、指名買いして頂けるクライアントさんがたくさんいる」と優位性を強調してみせた。

差別化できていると強調するポイントは量産技術だ。「裏面照射や積層型といった(ソニーが強みとする)技術は他社も発表していて、小ロットでは製造している。ただ、歩留まりを上げて大量生産するには至っていない。何千万個と大量に生産する技術は別の開発行為だ。そこが差異化の要因になっている」(平井社長)。

必要なものは「外から持ってくる」

今後に関しては、「イメージセンサーをどんな方向に持って行くか、ここで今、話すことはできない。しかし、まだやるべきことはある。それに向けてどんな開発をすべきか、もしくは外から持って来るべきかという議論をしている」と説明し、すぐ他社に追随を許すことはないとした。

平井社長がここで「外から持って来る」と説明した一端と見られるのが、10月8日に発表したベルギーのイメージセンサー開発ベンチャーであるソフトキネティックシステムズの買収だ。

ソフトキネティックシステムズは、イメージセンサーを用いて対象物までの距離を測定する「距離画像センサー」の技術に強みを持つ。ソニーは同社買収で、たとえば身振り手振りで操作できるスマホなど、センシングの技術を活かした製品開発を加速させる構え。今後、自動運転化で普及が見込まれる車載用カメラや産業用ロボット、ドローンなどへの導入が視野にあるとみられる。

今回の買収にみられるように、ソニーはイメージセンサーというチップ(ハード)を製造するだけでなく、応用のためのソフトウェアにも積極的に取り組もうとしている。量産技術に加えて、よりマーケットに近い応用技術にもウィングを拡げることが、イメージセンサーの「勝利の方程式」と考えているようだ。その意味では、これからもこの分野でのM&Aを畳みかける計画なのかもしれない。

田嶌 ななみ 東洋経済 記者

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たじま ななみ / Nanami Tajima

2013年、東洋経済入社。食品業界・電機業界の担当記者を経て、2017年10月より東洋経済オンライン編集部所属。

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