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大阪・関西万博で注目のイタリア館、120の卓越したブランドが集うアルタガンマ財団が示す「より良く競争するために協力する」国家戦略

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  • 林 信行 フリージャーナリスト、コンサルタント

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アルタガンマ財団会長のマッテオ・ルネッリ氏(写真:アルタガンマ財団)
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イタリアを代表するそうそうたるブランド企業が名を連ねる組織、アルタガンマ。製品を持っていなくても銀座や青山といったショッピング街や雑誌広告で見たことがあるブランド名が多い同財団の会長が本誌の独占インタビューに応じてくれた。同財団の背後にある考えには、日本が弱い国レベルでのブランド戦略のヒントがたくさんある。

アルタガンマのホームページ(https://altagamma.it/)

アルタガンマから学ぶ日本のブランド戦略

「世界的高級ブランド」を10社ほど思い浮かべてほしい。どんな企業名が頭に浮かぶだろうか。エルメス、カルティエ、ルイ・ヴィトンなどのフランスブランドか、はたまたグッチ、プラダ、フェラーリなどのイタリアブランドだろうか。その10社の中に日本のブランドはあっただろうか。日本は確かに経済規模はフランスやイタリアに勝っているが、どうもブランド戦略が弱い印象がある。

日本自体に魅力がないわけではない。実際、昨今、日本はかつてないほど世界から注目を集め、行きたい国ランキングでもつねに上位だ。欧米やアジアの富裕層も、日本の食や伝統工芸品、特別な体験を求めて訪れる。

そこで心配になるのが、日本の国や企業に確固たるブランド戦略があるのか、というポイントだ。大阪・関西万博でフランス館やイタリア館を訪れた際、その欠如を痛感した。万博に限らず国際的な展示会に足を運んでも、フランス企業の展示には、国を好きにさせる戦略が垣間見える。

私はその背景には1954年に設立されたコルベール委員会の存在があると思っている。先に挙げた3社を含むフランスでもトップ100社以上の有名ブランドが加盟し「豊かさとは何か」といった議論を続けている。万博のフランス館などでルイ・ヴィトンといった私企業が文化の象徴として展示を行うのも、そうした組織のトップ同士の議論を通して、多くの国民がそのブランドが国の文化を代弁することを(好むと好まざると)受け入れている背景があると思っている。

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