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ライフ #獣医病理医からみた「動物の話」

心臓にはおびただしい数の…愛犬を死に至らしめた"生き物の正体"とは?「室内飼いだから大丈夫」と考えるのは危険すぎるワケ

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  • 中村 進一 獣医師、獣医病理学専門家
  • 大谷 智通 サイエンスライター、書籍編集者
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バーニーズ・マウンテン・ドッグにおける10年は寿命ともいえますが、20年以上生きた記録もありますから、この子も、もっと長く健康的に生きられたかもしれません。

知識さえあれば回避できた死

知識さえあれば回避できた死が避けられなかったのだとすれば、たとえどんなに普段から大切に思っていたとしても、その死の責任の一端は飼い主さんにあったと言わざるをえません。

愛犬を失ったばかりの飼い主さんに酷だとは思いつつ、僕は、「死因はフィラリア症であり、その一端は飼い方にあったこと」を明確に伝えました。この飼い主さんが再び動物を迎えたときに、同じような過ちを繰り返さないでほしいという思いからです。

東京の目黒区には、世界でも珍しい寄生虫専門の研究博物館「目黒寄生虫館」があります。

目黒寄生虫館1階の様子。フィラリアの標本は2階に展示されている(写真:目黒寄生虫館提供)
目黒寄生虫館の外観(写真:目黒寄生虫館提供)。住所や開館時間などについてはこちらをご覧ください

ここには、フィラリアの標本が、寄生を受けたイヌの心臓ごと常設展示されています(前出の写真)。東京都内にお住まいの方はもちろん、そうでない方も、特にイヌを飼っている方には、機会があればぜひ訪れていただきたい場所です。

実物を見ると、フィラリアの心臓内での様子が一目でわかり、図鑑やインターネットの写真では伝わらない生々しさがあります。

「こんなものが心臓に居座っていたら、それは苦しいだろう」と、誰もが思わずにはいられないはずです。予防の大切さを実感できるという意味でも、非常に貴重な展示です。

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