バブル崩壊を待ち望んでも「マンション価格大暴落」がやってこない根拠

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今後の話として、バブル崩壊と同様の下げ局面が来るのか、が重要な論点になる。それが来る際の条件はいくつかある。まず、不動産の先安感があることが大前提となる。そうなると、土地の売却件数は増えるかもしれない。

しかし、マンション建設に適した大規模な土地の供給余地は限られている。戸建て用地についても、空き家の6割以上が「物置き化」している実態がある(令和元年空き家所有者実態調査・国土交通省)。死亡者数の増加にもかかわらず、売りに出される土地は減少傾向にある。不動産価格が需給バランスの緩みで下がる可能性はあるが、その確率自体が低い状況だ。

新築マンション価格は下がらないのか

むしろ今後も価格上昇の可能性が高い。金利上昇下でも、不動産事業者への資金供給量は増加している。不動産事業は金利上昇時でも積極的な借り入れが必要な数少ない事業構造だからだ。この借入金を原資にして用地を買うので、用地価格は高騰している。これに加えて、建築単価は資材費と人件費の上昇で高騰している。これらの合計が新築マンション価格になるので、価格が上がるのは必然となる。

これまで見てきたように、マンション価格は新築価格が牽引する。新築価格の上昇により、中古価格も連動して上昇せざるをえない状況にある。株価に惑わされることなく、不動産戦略は実行していかないとタイミングを間違うことになりかねない。

沖 有人 不動産コンサルタント

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おき ゆうじん / Yujin Oki

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、監査法人系・不動産系のコンサルティング会社を経て、1998年に現スタイルアクトを設立。住宅分野において、マーケティング・統計・ITの3分野を統合し、日本最大級の不動産ビッグデータを駆使した調査・コンサルティング・事業構築を得意とする。設立当初から運営する分譲マンション価格情報サイト「住まいサーフィン」の会員数は30万人以上。『マンションは10年で買い替えなさい』(朝日新書)、『タワーマンション節税! 相続対策は東京の不動産でやりなさい』(朝日新書)など著書多数。

 

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