明治学院大学に進学した後の藤野さんは、早稲田に行きたかったという未練も残ったそうですが、ジャズ研究会の活動にのめり込むうちに、そうした気持ちも消えていきました。
浪人してよかったことを聞くと、「自分でもやればできるという自信を得たこと」、頑張れた理由については、「安河内先生のおかげ」と答えてくれました。
「僕は受験で第一志望校に受かることはできませんでした。でも、浪人生活を通して成績が上がったという経験自体が、僕にとっては人生で初めての成功体験だったので、一番の財産だったと思います。
高校時代までくすぶっていた自分でもやればできると思えるようになれたおかげで、大学生になってから周囲のリーダー的なことも率先してできるようになりました。それは、明らかに浪人生活のおかげで変わったことですね」
その言葉どおり、大学時代は関東圏の大学をまとめるジャズの連盟を作って代表も務めていた藤野さん。大学の授業も先生にお願いして、文学部に限らない他学部の看板教授の授業を受け続け、ジャズと勉強に打ち込む4年間を送りました。
横浜で学習塾を開業
大学を卒業した後の藤野さんは、フランスで短期のボランティアに参加した後、大学4年間ずっと塾講師のアルバイトをしていたことから臨海セミナーに就職します。1年が経過した後、アメリカの半導体を扱う商社、イギリスの多国籍企業に転職。イギリスの会社では世界8000名の社員の中でトップ5%の営業実績を残しました。その後、臨海セミナー時代にお世話になった生徒の親御さんと再会した縁もあって横浜で学習塾を開業しました。
5年前に『スイングアカデミー みなとみらい教室』と名前を変えた藤野さんの学習塾は現在21年目。
「世界中の子どもが夢を描き、自らの可能性に挑戦できる世界を創る」ことを理念として掲げるこの塾では、勉強の楽しさや自分の可能性を知ってもらうため、「探究授業」に重点を当てた講座を行っています。そうした方針もやはり、藤野さんの浪人時代の経験が大きいそうです。

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