こうして絶望の中で2浪することを決めた藤野さん。
親は「やりたいならやればいいよ」となんとか2浪を認めてくれたものの、親に申し訳ないという思いもあった藤野さんは、1年中予備校に通うと莫大な費用がかかると考え、この年は代々木ゼミナールの単科コースのみを受講する決意を固めました。
「日本史は自信があったので授業自体を受けていないのですが、英語は西谷昇二先生、現代文は酒井敏行先生に教えを受けていました。空き時間は代々木の本部校の自習室で勉強していたので、12〜13時間はやっていたのではないかなと思います。ただ、模試でそんなに伸びない状態が続いていたので、ずっと焦りながら勉強していました」
焦る原因となったのは、この年になっても苦手だった国語が克服できなかったことでした。
「今思えば、授業を聞いてわかったつもりになっていて、復習が足りていなかったのだと思います。それが、成績が伸びなかった一番大きな原因ですね。英語と日本史にはたっぷり時間をかけていたのですが、国語は忘れたころに復習をする時間が抜けていたんです。勉強のやり方がよくなかったと思います」
法政の入試でまさかの乗り間違え
1浪目とほぼ成績が変わらないまま迎えた3度目の受験は、この年も前年と同じ早稲田大学の政治経済学部、法学部、商学部、第一文学部、教育学部の5学部と慶応義塾大学の文学部をそれぞれ受験します。
おさえで法政大学と明治学院大学も受けましたが、法政の受験ではアクシデントが発生しました。
「明治学院に受かっていたので安心はしていたのですが、法政大学では失敗を犯してしまいました。法政の多摩キャンパスで受験をすることになったのですが、電車を乗り間違えてしまったのです。急いで戻ったのですが、1時間目の英語の時間は残り半分になっていました。法政は英語と日本史で8割を確保して、国語半分で合格する戦略だったのですが、もう勝負になりません。確実に受からないといけなかったのに……。もう人生終わったと落ち込みました」
早慶の受験ではこの失敗を引きずらずに臨めましたが、前年と同じく国語を克服できずにすべて不合格。
こうして、藤野さんは2浪で、なんとか合格をもらった明治学院大学の文学部フランス文学科に進むことを決めました。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら