「当時の安河内先生は若手で、私がいた一番下のクラスの英語も担当していました。最初の授業が終わったあと、先生に質問しに行ったのですが、そこで会話しているときに、自分よりも遥か上にいる東大クラスの人のことを、私は『(彼らは)やばいですよね。東大を狙うなんて頭よすぎですよね』と言ったんです。
すると、『お前でも年間計画ならば、東大クラスのやつにも勝てるぞ』って熱く話してくださったのです。自分でも東大クラスの人に勝てる可能性があるかもしれないと衝撃を受けて、それからめちゃくちゃやる気になりました」
恩師との3つの約束を守り成績伸びたが…
こうして、猛勉強を始めた藤野さん。彼は受験勉強をするうえで、安河内先生と「席は毎回1番前に座る」「授業の復習を完璧にする」「毎日英語を1時間音読する」という3つの約束をしました。
この3箇条をしっかり守って勉強に打ち込んだ1浪目の藤野さんは、成績も見事に伸びました。
「当時は朝8時からマクドナルドで勉強して、9時から予備校に行って授業を受け、授業が終わってからも夜の21時まで自習室にいました。この3つの約束以外にも、安河内先生に『完璧にするように』と教えられた構文や長文のテキストをひたすらやり込みました。その結果、高校のときに受けた代々木ゼミナールの模試は30〜40台しか取ったことがなかったのですが、夏の代ゼミの模試では、英語の偏差値が70を超えるようになりました」
日本史も必死に『山川一問一答』を詰め込んで、夏以降には偏差値70を超えたように、2つの科目で早稲田を狙えるようになった藤野さん。
しかし、国語だけは克服できず、偏差値は50台のままでした。「自分が通っていた高校で、誰も行けないような大学に行きたい」という思いが強かった藤野さんは、この年、3教科で偏差値が60〜65だったこともあって早慶上智にこだわり、早稲田大学は政治経済学部、法学部、商学部、第一文学部、教育学部の5学部、慶応義塾大学と上智大学の文学部もそれぞれ受験します。
残念ながら出願したすべての大学に落ちてしまい、2浪が確定しました。
「受かりたいし、受かると思っていましたが、甘い考えでした。自分の人生、これからどうなっちゃうんだろうという絶望感があって、私は人生の敗者だと思いました」
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