「両親亡き後が正念場」38歳・2児のシングルマザーが語る”育児の本音”。産後うつがきっかけで発達障害が判明、離婚調停の顛末を聞いた

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「元夫とうまくいかなくなって実家に戻った時期もありましたが、今は実家の近くに家を借り住んでいます。

朝、子どもたちを保育園に送っていって仕事に行き、夕方親に子どもたちのお迎えと夕飯を作ってもらい、実家で一緒に食べます。その後自宅に帰り子どもたちをお風呂に入れて寝かしつけるという生活です。

親のサポートはあるのですが、毎日の生活に追われて子どもの寝かしつけで寝落ちして気づいたら明け方……ということも多いです」

フルタイムで働きながら育児に勤しんでいる成田さんであるが、親のサポートが大きいため、将来親がいなくなったときの不安を抱えている。

「両親がいなくなっても金銭的に困ることはないと思いますが、いろいろな面でゆとりがなくなって子どもの生活の質は落ちると思います。シングルマザーの正念場は両親亡き後だと思っています」

周りは核家族が多いため、今現在は自分は恵まれていると感じている。

産後うつがきっかけでADHDが判明

また、成田さんは産後うつを経験している。それで精神科にかかった際、発達障害の一種のADHDであることも判明した。

「ずっと自分は変だとは思っていたんです。車社会なので運転をするのですが、年に1度は何かしら物損事故を起こしていたんです。仕事での大きなミスはありませんでしたが、忘れ物や数え間違いはしょっちゅうありました。

それと、頭の中で映像の連想ゲームが止まらなかったり、脳内に音楽が流れ続けたりと脳内多動と呼ばれる症状があり、これは普通の人にはないのだと知りました。

衝動性も強く、カッとなると自制が利かなくなってものに当たったり、強い口調で暴言を吐いてしまったりすることもあり、夫婦喧嘩でもそれが顕著に表れていました。元夫にはそれでかなり負荷をかけていたかもしれません」

元夫もASD(自閉スペクトラム症)の傾向があり、心療内科を受診していたという。

「ASDの人には、人の気持ちを察しづらい人もいると言われています。確かに私と子どもと両親が新型コロナ陽性になった際、夫だけが陰性で私と子どもは実家で隔離生活をしていたのですが、近所だから窓越しに会えるのに、子どもが3日間40℃の熱を出していると言っても心配して会いに来たり差し入れを持ってきてくれたりすることは一度もありませんでした。

2人目の子どもの妊娠中から、元夫の思いやりのない態度や自分中心で子どもに寄り添おうとしない態度に疑問を持っていましたが、そのあたりから『家族が大変なとき協力してもらえない人とはもう結婚生活を続けるのは無理かもしれない』と思い始めたんです」

成田さんは経済的に不自由しない見通しが立っていることと両親の育児サポートが受けられること、子どもの姓のことを考えると物心がつかないうちに離婚をしたほうがいいと思い、離婚に踏み切った。

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