「南口はやや寂れてる」…池袋から7駅、"人気じゃないほう"の練馬「東武練馬」の意外な実態。「都会すぎず、田舎すぎない」街の実情とは?

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1964年、前回の東京オリンピックが開催された年からやっている、地元で知らない人はいない純喫茶だ。

ギィ……と音がしそうな扉を開けると、年月の経過でしかつくり出せない雰囲気が、店いっぱいに充満していた。

喫茶ボタン
喫茶ボタンの店内(筆者撮影)

入り口から奥まで、4人がけのテーブルが並ぶのだが、そのいくつかは麻雀や花札のテーブルゲームだ。コインを入れて遊ぶタイプの、いわゆるビデオゲームがテーブルに仕込まれたあれである。そこにペラペラのメニューがぱらりと置かれている。

嬉しくなって店内をあれこれ眺めていると、ひとつ奥の席に運ばれてきたパフェと目が合った。もしかして、と思い、同じものを注文した。

しばらくして運ばれてきたロイヤルパフェ(税込850円)は、思った通りの品物だった。

私はパフェというものを、コーンフレーク入りとそうでないものとに分けて考えている。どちらが上とか下とか言いたいのではない。コーンフレークを「かさ増しのため」と捉えるむきもあるが、私はそうは思わない。ただ、2つ並べられれば、私は間違いなく「コーンフレークなし」を選ぶ。

そう、喫茶ボタンのパフェはコーンフレークなしタイプなのである。

花びらのように波打つ器に、アイスクリーム、クラッシュアイス、きれいなV字にスライスされたりんご、白桃、みかん、さくらんぼ、そして雪より白い生クリーム。食べなくたってうまいとわかる。もちろん、食べたらもっとうまかった。もうこれだけで住むとちょっといい街だ。

喫茶ボタン ロイヤルパフェ
コーンフレークなしのロイヤルパフェ(筆者撮影)

坂の多さに少し驚き

「喫茶ボタン」を出て、今度は駅向こうの板橋側を散策する。先ほども書いた通り、こちら側には大きなイオンが進出している。

もとは黄銅やりん青銅などを扱うメーカーの工場があったそうだ。これが1994年に閉鎖となり、跡地の利用方法があれやこれやと議論され、2000年に「板橋サティ」が開業。

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