59歳で誕生の”待望の我が子”を9歳から≪イギリスの全寮制スクール≫に入れた理由とは?11年経った「現在の親子関係」も聞いた

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サマーヒルスクールに行くことを決めた息子さんが、初めて一人で飛行機に乗って渡英するときのこと。

「妻とふたりで空港に見送りに行ったとき、手荷物検査のゲートを通り抜けたあと、まったくこちらを振り返りもせずに行こうとしたんです。アテンダント(対象年齢は航空会社によって異なるが、子どもが一人で搭乗する場合、航空会社の添乗員がサポートするサービスがある)の方があわてて私たちのほうを見るよう彼を促したけど、当の本人は一直線に行っちゃったのを見て、思わず『すげえ』って(笑)」

息子さんは最初の1年間はまったく言葉が通じず、かなり苦労することに。しかし、あるとき突然クラスの子と会話が成立し、相手も『冗談が通じた!』と感激してスタッフに報告したという。

その後、息子さんはイギリスでの学校生活に満足していたのか、16歳の頃に新型コロナウイルスの世界的流行によって帰国を余儀なくされるまで、一度も「日本へ帰りたい」とは言わなかったそうだ。

渡英中、片山さん親子は夏休みを利用して欧州を旅した。そのときの記録を自費出版で本にしている(写真:片山さん提供)

息子のためとはいえ、たった一人の我が子と長期間離れて暮らすことは、夫婦ともに寂しくはなかったのだろうか。

「寂しいことは寂しかったですよ。でも、息子がいない期間は夫婦ふたりの時間を楽しんでいました。あちこち出かけたり、温泉に行ったり。夫婦仲はいい方じゃないかと思いますね」

帰国後どう過ごしているのか

帰国後、息子さんは日本の大学に進学することを決意し、オンラインの通信制高校に通い、現在は都内の難関私立大学に通っている。これらの進路も全て自分で決めてきた。

片山さんの教育方針を、大人になった息子さん自身はどう感じているのか。

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