59歳で誕生の”待望の我が子”を9歳から≪イギリスの全寮制スクール≫に入れた理由とは?11年経った「現在の親子関係」も聞いた

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“イギリス行き”決めた経緯

9歳から入ったイギリスの『サマーヒルスクール』は全寮制。まだ幼いといえる年齢から、遠い海外の学校にかけがえのない一人息子を預けることに、躊躇はなかったのだろうか。

「当時『よく一人で行かせる気になったね』とか『よく手放す気になったね』とか言われましたが、子どもは遅かれ早かれ独り立ちするし、小さいときから息子の自主性や主体性を大事にしてきたので、どこでも自由に飛び出していく性格に育っていました。それに、息子は一人息子なので、家にいるときはいつも一人で退屈そうで」

同校は幼すぎる年齢で母国を離れると母国文化を忘れてしまうという考えのもと、寄宿生としての入学は9歳頃からだったという(情報は当時、片山さん談。現在の募集要項は要確認)。そのため、まずは見学するために8歳の息子さんを連れてイギリスへと向かった。

見学で、片山さんはサマーヒルスクールを大いに気に入った。

「学校の広さと自然の豊かさ、子どもたちのふるまいを親子で見ました。そこでは授業はありますが、出席するかしないかはまったく本人に任されていました。

だから自分が勉強したければ授業に出るし、そうでなければ一日中遊んでいる。どの子も自分の意思によってすべてを選択するという生き方を貫いていて、そのすがすがしさに感銘を受けました」

「入学したい?」に息子はどう答えたか

片山さんは帰国後、息子さんに入学したいかどうか、意思を確認した。すると、息子さんは一言

「おそらく」

と答えたという。おそらく行くことになるだろう、という意味だった。わずか8歳の子がこのような含みのある表現をするということに、筆者も驚いた。時間を置いて何度も確認したが、決心は揺るがなかったという。

ちなみに、息子さんは入学前時点では英語をまったく話せない状況だった。この言葉を聞き、片山さん自身も英語はほとんどわからないなか、就学ビザの取得に奔走した。

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