なぜ若者は結婚しないのか?「金がないから」説を裏付ける明確な根拠

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企業規模別の未婚率の増減も確認しておきましょう。就業構造基本調査より企業規模別の男性35~39歳の未婚率増減を2012年と2022年で比較すると、中小企業6%ポイント増であるのに対し、大企業はわずか1%ポイント増、官公庁はむしろ▲3%ポイント減という状況です。

基本的に、大企業と官公庁の年収中央値はほぼ同額です。当然、中小企業はそれより低いのですが、これも経済上位層である大企業と官公庁の未婚率は増えてはおらず、未婚率が上昇しているのは中小企業の男性だけです。

このように、婚姻数が激減しているとは言っても、経済上位層の婚姻数はまったく減ってはおらず、経済中間層以下だけが未婚化しているというのが、婚姻減の真相です。

どの層が結婚できなくなっているのか

さらに、経済力だけではなく、恋愛力とのクロス集計によって、どの層が結婚できなくなっているのかについて明らかにしたいと思います。わかりやすくするために、弱者・中間・強者という3分類にします。

私のラボで調査した結果を基に、経済力は、年収300万円未満を経済弱者、300~500万円を経済中間、500万円以上を経済強者として分類、恋愛力は、今までの恋愛経験人数1人以下(0人も含む)を恋愛弱者、2~4人を恋愛中間、5人以上を恋愛強者として分類し、それぞれの分類ごとに20~30代男女の未婚と既婚の構成をマトリクスにしたものが下記の図表です。

まず、20~30代男性ですが、経済強者群はその恋愛力の強弱にかかわらず、未婚人数より既婚人数が上回ります。つまり、既婚率が高いということです。経済中間も唯一恋愛強者だけはほぼ未既婚同数ですが、だからといって、恋愛強者なら結婚できるかといえば、「経済弱者×恋愛強者」の男性は結婚できていません。

それどころか、経済弱者群は、恋愛力の強弱関係なく、すべて未婚が多くなっています。つまり、男性の結婚決定要因は、恋愛力などではなく経済力であることがわかります。

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