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トランプ大統領「海外撮影の映画に関税」に慌てふためくハリウッドにほくそ笑むワケ

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  • 猿渡 由紀 L.A.在住映画ジャーナリスト
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だが、先に述べたように、そこはヴォイトの計画の中心ではない。西海岸時間7日に掲載された「Variety」の記事で、彼はインタビューに応じているが、“関税”という言葉は一度も出てこなかった。彼が熱を持って語るのは、これを政治的問題にせず、みんなで力を合わせて取り組むべきだということ。トランプ支持者であることを公言し、ハリウッド仲間内で嫌われている彼は、「支持政党を越えて、みんなで計画を立てよう」と呼びかけている。

トランプ本人が今後、どこまでこの計画に本気になるかは疑問だ。ハリウッドのあんな反応を見られただけで、もう気分はスッキリしたかもしれない。だが、皮肉にも、ハリウッドには、このショック療法のおかげでようやく、もっと広い視点で、この問題に大胆に取り組まねばならないというモチベーションが生まれることになった。

ハリウッドに改善点があるのは事実

カリフォルニア州知事のギャヴィン・ニューサムは優遇措置の向上を打ち出してはいるが、国外への流出をとだえさせるに十分でないのは誰の目にも明白。州レベルに加え、ほかの国に負けないような優遇措置を連邦レベルで提供することを、今こそ本気で論議するべきなのだ。

アメリカ国内で映画を作れと言ったのはトランプなのだから、優れたアイデアを思いついて提案すれば、「国も協力してくれ」という願いをはなから無視はしてこないのではないか? 少なくとも、検討することなく関税の脅しをかけてくることはできないだろう。

もちろん、トランプに関して「ありえない」ことは何もないので、わからない。それでも、不安がっているだけでは何も進まない。ストレスだらけのこの数日が、何か建設的なことにつながるよう願いたいものだ。

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