トランプ大統領「海外撮影の映画に関税」に慌てふためくハリウッドにほくそ笑むワケ
だが、そうした状況下でもトランプは、昨年秋の選挙で再選。最高の形でハリウッドを見返してやったわけだが、こじれた関係は変わらない。ハリウッドは今も今後もトランプを嫌い続けるだろう。だからトランプは、ハリウッドが憎い。
しかし、本当のところ、トランプは昔からこの世界が大好きでもあった。彼は、ウォーク・オブ・フェーム(エンターテインメント業界で功績のあった人物の名前が刻まれた星型のプレートが埋め込まれた歩道)に星も持っているし、1989年から全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)の会員でもある。つまり、孤立はしていても、ハリウッドの一員なのである。

エンタメ界で名を売ったトランプ
彼が最初に出演した映画は、1989年の『ゴースト・ラブ』。『ホーム・アローン2』(1992)では、所有するプラザホテルをロケ場所に使わせてあげる代わりに出演させろと要求し、マコーレー・カルキンと共演した。
ほかに、『SEX AND THE CITY』第2シーズン(1999) やサンドラ・ブロックとヒュー・グラントの主演作『トゥー・ウィークス・ノーティス』(2002)にも、自分役でカメオ出演している。
だが、彼を本物のセレブリティにしたのは、彼が司会を務めたリアリティ番組『アプレンティス』(2004〜)だ。これと『アプレンティス セレブたちのビジネス・バトル』(2008〜)、つまり、ハリウッドでのキャリアが、最初の大統領選での当選に導いたのである。

とはいえ、今の彼は、ハリウッドのことなど気にかけていない。20年以上前から起きてきた、税金優遇制度で誘致する他国に撮影を奪われる「Runaway Production問題」など、頭の中にまったくなかったはずだ。
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